シータがデルタとイプシロンに何か話しています。

0004
Theta:
地球から月までの距離は約38万㎞で、ノートに使っているような普通の紙を43回折り畳むと月に到達するんだって。
Epsilon:
ふーん、デルタ、帰ってから電卓で計算してみようよ。
Delta:
うーん?

0002
Delta:
イプシロン、この本は300ページ以上もあるのに3センチあるかどうかだよ。とても月まで届くとは思えないよ。
Epsilon:
OK、デルタ、考えを聞かせてよ。

0003
Delta:
こうやって折り重ねても本と変わらないんじゃない?
Epsilon:
ああそうか、デルタそうじゃなくて二つ折りにしたものをまた二つ折りに続けていくんだよ。そうすると折る度に二倍の枚数と厚みになっていくよ。
Delta:
ふーん、二倍?
0005
Dr.Takagi:
ふむ、面白いことに気がついたね。2のべき乗は色んな話があって一つにこんなのがあるよ。
豊臣秀吉に仕えていたという曽呂利新左衛門の話なんだが、あるとき秀吉から褒美を貰えることになって希望を尋ねられた新左衛門は将棋盤のマス目の数と同じ日にちだけ最初は米を一粒、次の日は2倍の二粒、3日目はその2倍の四粒、4日目はそのまた2倍の八粒というように毎日2倍になるように米を希望した。
初め秀吉は承知したが、何日が過ぎると、とてもじゃないが無理と判り他の物に変えてくれるよう頼んだという逸話があるんだ。この話には将棋盤のマス目の数の他、100日間とか諸説あるらしい。

Delta:
ふーん、始めは小さな数でも倍々になっていくと凄く増えるんだね。
でも、それで月まで届くのかなー。

0006
Epsilon:
デルタ、関数電卓で計算したらこうなったよ。2^43とすると8796093022208だからこれに例えば紙の厚みを0.07ミリとして掛けると、約61万5700㎞となって月に届くね。あくまでも計算値で実際に紙を43回折り重ねるのは無理らしいけど。
Delta:
ふーん、そうか!計算してみるよ、電卓貸して。
Epsilon:
うんいいよ。ミリとか㎞の単位に気をつけて。

Dr.Takagi:
曽呂利新左衛門のところは最初の一日目は2ではなく一粒から始まっているので、例えば20日目は2^20とせず、2^19とするんだよ。


※youtubeで「Powers of Ten with Japanese translation 」で検索すると10のべき乗の威力を見られます。