ファジー!!とデルタ (Fuzzy!! & Delta)

ファジー!!とデルタの冒険? Adventure of Fuzzy!! and Delta.

2018年05月




行き止まり、目前に迫る石の壁!ファジー!!はどう出るのか?

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ファジー!!渾身のフローティングターン!!
Fuzzy!!:
デルタ行くぞ、イェィッ!!
Delta:
うん、オォッ・・・

ファジー!!は10代の頃、古いVHSテープから変換したDVDで昔のサミー・ミラー(1)のトライアル・ビデオを見てフローティングターンを練習していたのです。フローティング、前輪を浮かせてのターンなのですが、このフローティング(ウィリーとも言う)自体はトライアルバイクなら比較的簡単にできます。ただ普通はそのまま直進してしまいます。後輪1輪だけの走行で左右のバランスを意図的に崩すのは心理的抵抗があるのです。でもバランスを崩さないと左右どちらかに向きを変えられません、人生みたいに。前輪を浮かせるときにステップに立ってハンドルを手前に引きますが、そのとき曲げたい方向に切るのでなく、引っ張るように力を入れて車体を傾かせるようにし、自分の体全体を捻って後輪を軸にターンするのですが、サミー・ミラーのビデオでは前輪をフローティングさせたらそれを前方にある立ち木や岩壁などに当てて、そこでハンドルを切り、というか当てて、対象物からの反作用を利用してターンしているように見受けます。ファジー!!はそれをやりました。ただオートバイの操作は感覚的要素が多いので"自分とは違うな"という人も居るかと思いますがそれで正解です。これはファジー!!の体験です。

ファジー!!はその後、エディ・ルジャーン(2)のエアターンも挑戦したのですが体型からか会得出来なかったのです。これは静止直立状態からその場でウィリー、一瞬ジャンプしてターンするのですがこれに関してはファジー!!は語りません。
※BMXのエアターンとは違うテクニックです。


ターンした後ファジー!!はモンテッサを道の両脇にある壁の一方にジャンプさせて乗せ、来た道を逆走します。途中でタイガー戦車と岩壁の上と下の位置関係ですれ違います。
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Fuzzy!!:
このタイガーⅠは初期型だね綺麗でダメージがないみたいだ。
Delta:
近くで見ると大きいね、早く離れようよ。

ファジー!!達がタイガーから逃れて戻って来ると見覚えのある人物が立っていました。ベルスタッフのトライアルマスター(3)を脇に置いてヘルメットを抱えたスミス氏です。
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Delta:
あれ!この前の人じゃない?
Fuzzy!!:
ああ、たしかスミスさんだったね。
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Smith:
やあ無事でしたか、爆発音がしたので表に出てみると私のバイクで戦車の前を走る見覚えのある人がいるので驚きました。貴方はトライアルの経験がお有りですね?この辺りで私以外にあんな走りのできる人を知りません。(ちょっと自慢)

Fuzzy!!:
無断でお借りしてすみません。お礼と弁償をするので希望額を言って下さい。

Smith:
何処も壊れてはいないでしょう。あんな場合は私でもああするしかありません、構いませんよ。
警察には連絡してあります。しかし驚きましたね。

Fuzzy!!:
寛大なご返事を頂き感謝します。このバイクに救われました。ところでこれ、市販のままではありませんね?
Smith:
分かりましたか (ニヤリ)、ご希望なら改造箇所、パーツをお教えしますよ。
Fuzzy!!:
ええ、是非。

そんな呑気なやり取りをして警察との話も終わり、ホテルに帰ると、


(1)イギリス出身のレーサーで、ここでゴチャゴチャ書く代わりに
 サミー・ミラーミュージアムのHPを見て頂いた方が早い。
    とにかく一時代を築いた偉大なトライアルレーサーなのです。

(2)ベルギー出身のトライアルレーサーで、ミラーよりずっと後の
 世代で1982年から1984年にかけてトライアル世界選手権3連覇
 を果たした。当時主流だった2ストロークエンジンでなく、ホ
 ンダの4ストロークマシンでの偉業でした。
(3)BELSTAFFのTRIALMASTERはサミー・ミラーも愛用していて有名
 です。ワックスコットンという素材で、コットンの双糸で強いキャン
  バス生地に専用のワックスを塗り込んだもので防風・防水機能があ
 ります。ただ手入れ・洗濯の禁止項目を抜粋すると
 ・ドライクリーニング駄目
   ・洗濯機で洗うの駄目、乾燥機も駄目
 ・どんな石けんや洗剤も駄目
 ・アイロン、糊付け駄目
 この他にも禁止事項があって、基本水洗い?の後専用ワックスを塗る
 という手入れが必要です。特殊なものを受け入れるクリーニング店で
 は独自の洗剤で洗濯し、独自のワックスを塗るメニューを持っている
  所もあるそうです。こういう素材の構成ゆえに他にも着用時、保管時
 に注意するべき点はありますが、防風・防水性能とクラシカルな雰囲
 気を持っています。
と、ここまで書いて当ブログはベルスタッフの宣
   伝をしているわけではなく、ストーリーと画に厚みを持たせようとして
   解説しています。

 
「にほんブログ村」の4コマ漫画に登録しているのですが、ファジー!!とデルタの現在居る順位辺りの他のブログを見ると、創作ではなく日常の体験や生活、家族を題材にしているブログが多いようで、居場所が違うのかなーと思っています。他に適したジャンルはあるでしょうか、






停めてあるトライアルバイクに駆け寄るファジー!!とデルタ、
ファジー!!は急いでバイクをスタートさせました。
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Fuzzy!!:
デルタ、このタイプのバイクはシートは印刷してあるだけだからボクにしっかり掴まっているんだよ!
Delta:
OK,分かった、

走るファジー!!とデルタの頭上を遥かに超えて88ミリ弾が岩山に着弾します
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Delta:
ワー、凄い音がするね、ファジー!!大丈夫?
Fuzzy!!:
うん、このモンテッサ(1)はコンペモデルの本物みたいだからこのロケーションからして逃げ切れる確率は高いと思うよ。こっちに細い枝道があるからこっちへ行こう。

しかし
ファジー!!がチャンスと思って入った道は行き止まりになっていたのです。
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Delta:
ファジー!!、行き止まりだよ、引き返すの?

目前に迫る岩の壁、ファジー!!はどうするつもりなのか?



(1)現在のMontesa Hondaは元々Montesaというスペインの企業でトライアルバイ
 クで名を馳せた会社ですが今はホンダの子会社になっているそうです。
 ワークスライダーのトニー・ボウ(Toni Bou)はスペインの出身でトライアル世界
 選手権において2017年で11連覇を達成しています。



今回も引き続き3コマ構成です。毎回同じ言い訳で恐縮ですが絵が間に合わなくて連続ストーリーなのに間が空いてしまい恐縮です。






ファジー!!たちの後をつけていた二人が乗り込んだのは旧ドイツ軍の主力戦車タイガー
(d.Kfz.181)でしたしかも殆ど新車の状態でツィンメリット・コーティングもマークも車番もありません。5 名で操作する戦車をマニュアルを読んだだけの二人が操縦するのでギクシャクした走行になるのは仕方ありません。
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marto:
ティーガーフィーベル(1)は憶えているな?
Olock:
勿論、総て頭に入っているさ。だけど姿を見せつけて脅かすだけだぞ!

オロックはマルトに念を押しました。

marto:
勿論。砲の仰角は極端に上げてあるから奴らの頭上を越えて遥か彼方に着弾する、脅かすだけだ。

ファジー!!たちが後ろから来る戦車の音に振り返った瞬間、戦車砲の先端が閃光と轟音を上げるのを見て驚きました。


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Fuzzy!!:
デルタ!どうやらこれは戦車を見せてくれようとしている訳じゃないようだ。ここは一先ず逃げよう。しかし実動できる
タイガーd.Kfz.181がボービントン(2以外にあったなんて。しかも発射可能なアハトアハト(88mm砲)まで付いているなんて信じられないよ。
Delta:
ファジー!!、あの戦車故障しないかなー、

ファジー!!とデルタは一目散に戦車と反対方向に走ります。
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Fuzzy!!:
あそこに何かトライアルバイクらしいのが停めてあるぞ、この際拝借して後でお礼と弁償をするからあれ目掛けて走ろう。
Delta:
OK.

ファジー!!とデルタは停めてあるトライアルバイクに駆け寄るのでした。
一体、何で
Sd.Kfz.181が今ここに・・・、

(1)
当時ドイツで作られた萌え系の操作教本、Tigerfibel
(2)
イギリス、ドーセット州にある戦車博物館



※普通は4コマを基準に描いているのですが今回、次回は3コマとなります。



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